離婚をやめた話
「子どもが巣立ったら離婚したい」
よくある話ですが、私もずっとそう願って生きてきました。
年数にして約20年もの間、ずっと。
昨春下の子を社会に送り出してから、具体的に離婚計画を立て準備を始めました。ベストな時期を算命学で算出してもらうと、そこから逆算して断捨離や自分の収入計画を立てたりしました。
離婚したら家を出て一人暮らしをすることになります。どこで暮らすのか?いくつか候補地を挙げ、それぞれ家賃の相場を調べました。現在の収入から考えて手取りの3分の1を目安にしたとき、まざまざと現実の厳しさを突き付けられたのです。あまりにも浅はかでした。
念願だった離婚を叶えたとしても、その後何十年と続く一人暮らしを生き抜くには経済的な問題をクリアしなければいけません。恥ずかしい話、これまで子どもに精いっぱいで貯金もできていません。今の仕事で社員になったとしても定年までわずか4~5年。定年がないパートに戻ったとしても、今の健康状態や体力気力がずっと持続できているとも限らない。
これまでずっと耐えてきたのに、やっと離婚できた末に待っているのは、一生お金の心配をしていかなければいけない暮らしだったなんて、いったいどんな罰ゲームなのでしょう。
正直言って今の「卒婚」という生活に不自由はありません。夫とは今では、一つ屋根の下に暮らすシェアハウスメイトのような関係です。互いに自分の食事の用意や洗濯をし、収入は別管理、出勤日も休みも知りません。会話は月に1~2回あるかないか。それも業務連絡程度です。だからといって喧嘩しているわけでも険悪な雰囲気というわけでもなく話すときは穏やかで、普段は空気のような存在同士とでもいいましょうか。1つ懸念があるとすれば、夫の介護ですが……。
今、好きな時に好きなことができ、何にも束縛されず心は自由です。車も好きに乗れて(夫は車に乗らないのでETCとガソリンは私、税金と車検は夫)、なにより家賃・光熱費等の心配がありません(ローン含め夫が負担)。
この20余年、離婚することはできなかったけれど、慰謝料代わりに自由な生活を勝ち取っていたのだとやっと気づきました。
「もう、いいや」
夫には、離婚することで20年以上前の復讐をするつもりでいました。でも、卒婚状態に入った時から徐々に、その復讐は遂行できていたのではないかと思います。夫が生きている限り今の関係性は続くのですから、もうそれで充分。
きっと私と同じようにずっと離婚を願いながら、結局は離婚をやめた女性たちもたくさんいるでしょう。何が正解なのかは人それぞれ。私の最適解は「同居卒婚」だったというわけです。